約束は守らなくても良い。約束を守る姿勢をつらぬこうと思えば思うほど、過去の自分にしばられることになるだろう。今その瞬間に100%で生きるには、約束を必ずしも守らない自分を許している必要がある。もちろん、些細な口約束でもおぼえている人は信頼できる。そういう人は大好きだ。わたしもそのように生きることをこれまで意識してきたが、最近では、完全にそのようであろうとするのも考えものだと感じるようになった。福岡伸一先生は「動的平衡によって細胞は生まれ変わり続けていて、一年前の自分と今の自分とでは細胞的にまったく別人なので、昔の約束を守る必要はない」と言っている。生物学に根ざしたジョークではあるが、一理ある。「男子三日会わざれば刮目して見よ」というが、むしろ人間はその時々に常に別人であって、三日や、まして一年などの時間は必要ない。理想的でエネルギーにあふれる現在を形づくるために、低周波なものはどうぞ置いて去るとよろしい。それでも、繰り返しになるが、約束を覚えている人をわたしは信頼している。